日本株は上昇、円安と春闘への期待が後押し

3月14日の東京株式市場では、円安の進行に伴い輸出関連銘柄への買いが集まり、日経平均株価が小幅ながら上昇した。また、日本国内では春闘の賃上げ動向が注目され、経済の先行きに対する期待感も市場に影響を与えている。
東京株式市場の小幅反発
14日の東京株式市場は、円安の進行に伴い輸出関連株が買われ、日経平均株価が0.4%高の3万6923円98銭、東証株価指数(TOPIX)も0.4%高の2710.30ポイントと小幅な上昇を記録した。午前中は米国の関税政策懸念から売りが先行したが、円安進行と春闘回答集計への期待感が買い優位へ転換させた。
ドル円レートは147円台後半から148円台前半へ下落。米政府閉鎖回避の観測がドル買いを加速させ、輸出企業の収益拡大予想が株価を支えた。
春闘回答集計のプラス効果
連合は14日、2025年春闘の第1回回答集計結果を公表する。ブルームバーグの最新のエコノミスト調査によると、昨年とほぼ同水準の5%程度の賃上げ率が見込まれている。春闘では、大手企業を中心に賃上げの動きが活発化しており、これが日本経済全体の回復期待につながっている。消費の拡大が見込まれることで、小売やサービス業の銘柄にも買いが入った。
米欧の関税リスク懸念
13日のニューヨーク株式市場では、トランプ米大統領がEU産アルコール製品への200%関税導入をSNSで示唆したことを受け、貿易摩擦の深刻化懸念が急拡大。ダウ平均株価は一時600ドル超の急落を記録し、終値では前日比537ドル36セント安の4万813ドル57セントに沈んだ。輸出依存度の高い日本企業への波及が懸念される。
今後の見通し
短期的には円安基調が続くことで輸出関連株が優位となる可能性が高いが、米国の貿易政策や欧州との関税摩擦が世界経済に与える影響には注意が必要だ。また、春闘による賃上げが消費拡大につながるかどうかが焦点となる。
よくある質問
Q1:なぜ円安が日本株の上昇を後押しするのですか?
円安になると、輸出企業の海外収益が円換算で増加し、業績改善の期待が高まります。特に、自動車や電子部品メーカーなどの輸出関連銘柄は買いが集まりやすくなり、株価上昇の要因となります。
Q2:春闘とは?
春闘とは、多くの企業にとって新年度が始まる4月に向けて、労働組合が経営側と交渉することです。
賃金の引き上げや労働時間の短縮、育児や介護をしながらでも働きやすい仕組みづくりなど、労働条件や職場の環境改善について労使で話し合い、決定します。
大企業を中心に労働組合が要求書を提出するのが2月です。
企業からの回答が3月ごろであるため春闘と呼ばれています。
労働団体の連合は「春季生活闘争」を正式名称としています。
Q3:米国の関税政策は日本株にどのような影響を与えますか?
米国がEUや中国に対して高関税を導入すると、貿易摩擦が激化し、世界経済の減速懸念が強まります。特に、日本の輸出企業は海外市場への依存度が高いため、関税リスクが企業業績の圧迫要因となり、株価に悪影響を及ぼす可能性があります。



