オルタナティブ投資とは、「既存のものに代わる、慣習にとらわれない」という意味の「オルタナティブ（alternative）」から派生した言葉です。伝統的な投資対象である投資信託、譲渡性預金、株式、債券、不動産などではなく、それらに代わる新しい投資対象への投資を指します。

具体的なオルタナティブ投資対象には、未公開株式、ヘッジファンド、プライベート・エクイティ・ファンド（ベンチャーキャピタル、買収ファンド、再生系ファンドなど）、証券化商品（ABS、MBSなど）、不動産、コモディティ（現物、先物）、デリバティブ（金融派生商品）などが含まれます。

近年では、個人投資家向けのオルタナティブファンドも販売されており、REIT（不動産投資信託）、商品指数連動ETF、金、商品先物取引、CFD取引などを利用して投資することができます。

オルタナティブ投資の特徴の一つは、株式や債券といった伝統的な投資対象との相関性が低いことです。これにより、不動産や金といったオルタナティブ投資対象をポートフォリオに組み込むことで、リスク分散の効果が期待できます。

また、一般の投資家が直接投資できないベンチャーキャピタルや買収ファンドなどに間接的に投資できる点も、オルタナティブ投資の利点です。

しかし、オルタナティブ投資にはデメリットもあります。商品内容が複雑で収益構造が理解しにくい、投資回収に時間がかかる、コストが伝統的な投資手法より高くなることがあるなどの点です。一般にはあまり馴染みがありませんが、投資信託や年金の運用でもリスク分散のために活用されています。